2010年09月26日 (日)
2010・2月 フランス旅行・ロンシャン(6日目)〜その3
リュールの駅で少し時間があったので、家人は町に行って撮影。ワタシは寒くて駅に残った。この辺りのフランス人は列車の時間ぎりぎりに来る人は少ない様に見える。パリに向かう娘と奥さんを見送るだんなさんと息子。行きの列車で一緒だった老夫婦。特に会話する訳でもなく、ただ列車を待っている。ワタシも余裕を持って行くたちなので、解る気がする。田舎の者に多い特徴だろうか。ほかにも、何をするでもない若者。何処でも光景は同じなんだな。
その頃、家人は町をうろうろしていた。途中、家の中から人が出て来て、怒られるのかと思いきや、撮った写真を見せてと言われ、何だか楽しげなこともあったよう。
列車の時間が迫って来た。家人が帰って来たので、それまで何故かワタシがやっていた切符の刻印をやって来てもらう。この刻印作業もそれが最後だものね。
さて、乗る車両だが、行きと同じ番号であった。帰りの便で何となくわかったのだが、車両がどこのあるかは、ホームにある車両番号を示す表があり、各自それを見て判断する様だった。表を見て、この辺だろうというところで待っていたら、その通りであった。内心、喜んで乗り込むと、朝と同じ車両で、我々が座っていた座席すぐ近くであった。残念ながら窓は絶望的に汚い。暫らくすると、切符のチェック車掌さんがやって来た。
「コルビュジエ?」と車掌さん。この列車でロンシャンに行く日本人が多いのかもしれない。
「oui」
「良かった?」
「oui, とても面白かったです」
「写真見てもいい? 行ったことないんだよ」
「あ、そうなんですか?」
仏語でも英語でもないような会話がスムースに続く。家人に頼んで写真を見せてあげた。「ありがとう」車掌さんは満足そうに行かれた。
この車掌さんだが、ちょっとフィギュアスケートはスイスのランビエール選手に似たステキな車掌さんだった。あんなに写真を撮る家人が行きの車掌さんは撮っているのに、帰りの彼は撮っていなかった。だからか、今尚、甘美な瞬間である。
パリには案外あっという間であった。あぁ、行ったな、夕食はお惣菜かなと思いつつ、東駅のホームを歩いていると、後ろから人が駆け寄って来た。礼拝堂で出会った日本人ご夫婦であった。あ、帰りも一緒だったんですねと、軽く夕飯をご一緒することにした。東駅の周辺は全く分からなかったので、ピザ屋に入った。ご夫妻はピザを、我々はパスタにした。このパスタが哀しい位おいしくない。昔あった市販の茹でスパゲッティといった感じである。ある意味、もう日本では食べられないものが食べられて良かったのかもしれない。というか、その後日本でもピザ屋のパスタは余りおいしくないことを学ぶ機会が何度かあった。
ご夫婦とフランスの旅のことや、仕事、出身地の話しなどをして、2日後、夕飯をご一緒しましょうと約束して別れた。ステキな人に出会えたな。
ホテルに帰る。その夜のデザートになにを食べたか、食べたのかどうか、もはや覚えていない。
今日も遠くに行ったな。お休みなさい。
2010年09月25日 (土)
2010・2月 フランス旅行・ロンシャン(6日目)〜その2
駅に帰って、ワタシはトイレに行った。有料だが、パリほど高くないし、何と言っても清潔であった。
やって来た列車は一両編成であった。が、その様子は近未来的なデザインで、窓は大きく、トイレもついていた。日本の一両編成の列車とは随分な違いだ。乗客は数えるほど。
さて、パン屋さんで買ったパンを食べる。普通においしいが、朝のパンの方がおいしかった。今回は家人の選択の方が正解だったようだ。
ロンシャンの駅に着くと吹雪の様に雪が降って来た。そこは無人駅で待合室の様なものもひとつ。寂しい光景かもしれないが、ワタシの実家周辺にはこん無人駅が多いので、返って親近感が湧いてくる。道を少し行くと、観光局の案内が出てきた。行ってみるも、昼休憩の時間帯。フランスは昼休憩が長くていいな。その隣には鉱山博物館もあり行ってみたかったが、時間もなく、例によってお昼休憩中であった。
が、礼拝堂への道しるべもあったのでとにかく行くことにした。
途中の道には誰もいない。冬のこんなに寒い日だから当たり前ですな。廃墟になったような礼拝堂を横目に黙々歩いて行く。ふと振り返るとロンシャンの街並みが見える。といっても、そんなに建て込んでいるわけではないので、これまた我が実家にも似ていて、更に親近感がわく。舗装された山道を歩いて行くと、礼拝堂入り口が見えた。我々が「おぉ〜」と感激していると、事務所からマダムが入場料はこちらよと手招き。入って料金を払ってふと見ると、朝の急行列車で同じ車両に乗っていた日本人御夫婦がいらしゃった。お二人は急行でずっとベルフォールまで行って、タクシーでロンシャンまで引き返されたのだそう。礼拝堂ももう見終わられて、帰りのタクシーを待っておられるところだった。この工程で行くと列車はずっと急行なのでサバーイでベルフォール観光ができるのだな。我らが選んだのは交通費が掛からない方であった。ロンシャンまで列車で、帰りはリュール駅までタクシーで帰り、急行でパリに帰る。家人曰く、最近リュールに急行が停まる様になったので、我々のコースも可能になったという。
それでは良い旅をとお二人に挨拶して礼拝堂に向かった。
その日はとても寒かったし、天候も優れず曇り空だった。礼拝堂はぽっかりと広いところにあり、それぞれの季節でそれぞれの美しさも見せてくれるだろうと想像できた。我々はじっくりと外観を見て回った。向かって右側にある小さな入り口から中に入った。家人は外でまだまだ撮影に没頭している。とても見たかったものの所に来たのだ。当然のことだ。入り口には堂内の撮影は禁止とあった。
中もしーんと寒く、人は我々だけだった。外観よりも中はずっと広い。横の色ガラスから光が射し込む。ワタシが気に入ったのは礼拝堂の奥にある小さな祭壇(?)で、高い天井にある天窓だけから光が射し込む様になっている。その光りの様子は壮麗で冷えた空気に似合っていた。遅れて入って来ていた家人がろうそくを捧げていた。途中シスターも入って来たが、普段はどこにいるのだろう。雪なので、長靴姿が可愛らしい。寒さに震えながら礼拝堂の中で暫らく過し、事務所に戻って行った。
事務所はショップでもあり、ワタシは礼拝堂がステンドグラス風にデザインされた何とも可愛らしいキャンドルスタンドのような物を自宅用と義実家用に買った。そしてポストカード。家人は何を買ったんだっけ。
事務所のマダムがタクシーを呼んであげようかと仰ったので、リュールまでお願いする。みんなタクシーで帰るのだろうな。すると、天気が一転して青空になった。家人は喜び勇んで、再び礼拝堂に走って行った。晴天での写真撮影に満足した様子であった。
タクシーがやって来た。女性の運転手さんにリュールまでお願いする。ロンシャンをこれだけで去るのは大変勿体ないと思った。リュールへの道には何もなく、そんなところに暫く滞在してみたいと思った。数少ない民家、広がる野山、我が故郷にも似ている。
2010年09月24日 (金)
2010・2月 フランス旅行・ロンシャン(6日目)〜その1
今日は遠出。列車でロンシャンまで6時間(電車待ち2時間込み)。ロンシャンには家人が行きたいル・コルビュジエの礼拝堂があるのだ。この日はホテルで朝食は取らず、すぐに東駅へ。7時11分の電車。昨日下見しておいたので迷ったりせず、余裕がある。東駅の地下で朝食を買う。ワタシはキオスクのようなコンビニでサンドイッチとマンゴー紅茶。家人は PAUL で購入。日本で購入しておいたチケットには車両番号、座席番号、窓側など書いてある。どの車両かと延々歩くも見つからない。適当なところで乗り込むが分からない。もう座っていた青年にチケットを見せて拙すぎる仏語で車両を尋ねると、とても親切に英語で我々の車両を教えてくれた。青年には若干訊かれて嬉しそうな感あり。merci! 我々は正しい車両に行き、座席に座った。長い車両には我々、お隣にフランス人おじさん、真ん中に他の日本人カップル。そのくらいで、ガラガラだ。満員を想像していたのに。列車は何のアナウンスも無く静かに発車した。外はまだまだ暗い。
家人が iphone を操作し始めると、お隣のムッシューが上にライトがあるからと点けてくれた。さり気ない親切。 merci。先ほど買ったパンを食べる。ワタシのはピタパン風でしっとりしていて、とてもおいしかった。家人はそれを大変うらやましがって、その後のフランスで何度か似たものを探そうとしていた。少しずつ明るくなってくると分かったのだが、窓がもの凄く汚い。洗車がまったくされておらず、外が余りよく見えない。家人曰く、1等車の窓はキレイだったらしい。我々は2等。うむー。フランス国鉄、全車両、窓だけでも洗って欲しい。。。そこで家人は最初の停車駅で窓を拭きに車外に出た。停車時間は2分だったので、ワタシは少々ひやひや。車窓には長閑な風景が広がる。フランスは農業国ですな。それは本当に大きな強みだ。日本は明らかに政策を間違っている。暫くすると車掌さんが切符のチェックにやって来た。チェックも一応あるんですな。その後、トイレに行くが、これまたとても汚い。何故、公共のトイレの多くはこんなに汚いのだろう。不思議でならない。
そうこうするうちに乗換駅のヴズーに着いた。ここで約2時間、ロンシャンに行く列車を待つ。駅から外に出るのに申告しないといけないのかなと思いつつ出てみると、特に駅員はいないし、例によって切符は回収されない。自由に出入りできるようだ。町に向かってあるく。人気がない。冬だから余計に人は出ていないのだな。日本の田舎の市みたいで好感が持てる。たまには人がいる。家人が通りの向こう側を撮ろうとすると、彼らはそれに気づいて止まってくれる。おぉ、merci 。とりあえず、町の観光案内所に行くが、閉まっている。外から覗いていると、マダムがわざわざ開けてこの辺に古い家があるよと地図を下さった。最後に国籍を聞かれた。海外からの観光客は余りいそうにない。さて、うろうろしてみる。
人気のない町ではあったが、かえって生活感が感じられる。観光客に荒らされていないというのだろうか。親しみが持てるし、街並みも美しい。ヴズーの町は今回のフランス旅行でも上位に入る気に行ったところなのだが、その良さを上手く言うことができない。何にもないけれど、生活が見えてくる。町のうろうろも列車の時間があるので、お昼ご飯など買うことに。まず、どこにもあるモノプリで物色。家人はチーズ等を購入し、ワタシはモノプリのエコバッグをお土産用にいくつか購入。フランスのスーパーでは商品すべてにスタンプを押してチェックする。購入したという証明になって良いけれど、やはり時間はかかる。因みにこのスタンプ方式の国は結構あるように思う。モノプリでは昼食になるものは買わず、近くのパン屋さんに入った。各自で好きなものを購入。ワタシはサンドイッチと何か(失念)。家人はサンドイッチとクロワッサン。家人はフランスに来てからクロワッサンが気になるらしい。小さなパン屋さんだったが、お客さんも多く、高校生のような男の子がお手伝いしていた。彼が会計してくれたのだが、それは爽やかな笑顔で対応してくれた。またしても merci だ。昼食も購入出来て、そろそろ列車の時間となった。
ヴズーには旅行者は余り行かないのかも知れないが、今回のフランス旅行でもポイントが高く、印象深い良いところであった。ロンシャンに行くなら、列車の乗り換え時間の間だけでもうろうろしてみては。人も親切で、素通りするのは勿体無い町だ。